8回の全国大会出場・中部大会での常連校という実績を持つ滝高校演劇部ですが、演劇経験者や特別な才能のある人の集まりでも、すごくハードな練習をしている部活でもありません。高校生活で何かに打ち込みたい、仲間と一つのものを作り上げたいという思いで集まっています。勿論、作る以上はより良いものを…というこだわりはあります。それが部の伝統であるとも言えます。
活動は国の文化財指定を受け、照明や音響の設備にも恵まれている講堂を独占して行っています。それでも例年60人を超える部員(部員数では多分全国1・2位を争う演劇部です。男女比も半々です。)を抱えているため、大道具製作や演技練習を学校内のあちこちでにぎやかに展開しています。練習時間は、平日の下校時間までと、土日は土曜日の午後だけにしています。
写真は最近の中部大会での舞台です。4トントラックにぎっしりの大道具、細部までこだわった小道具、手作りの衣装、工夫を凝らした照明や音響。演劇部ではいろんな方面の力が発揮できます。
「星のオモテ 月のウラ」(2014年 中部大会) 詳しくはこちら
大道具 4トントラック2台で運びました。中央のアーチは高さが210cm(一部鉄骨使用)で上で人が踊っても大丈夫です。アーチの下をキャスター付きの道具をくぐらせるので、場面転換のための暗転は一瞬でした。人が乗れる大きな物や動く物を作ることが多いです。自前の平台・開脚もあります。パソコンのソフトで道具の大きさ・形・配色をシミュレーションしたりします。
小道具 アーチ上のプラネタリウムは塩ビパイプ・段ボール等で製作。ランプが点灯します。大道具に近いものまで担当し、細部までの完成度にこだわります。電子関係の物も利用します。
照明 バックの星は農業用の寒冷紗に電球を星座の形に取り付けてあります。昼間のシーンでは星座の絵だけが白く見えます。台上の人物の顔を見せることに留意しました。この時は使いませんでしたが、エリスポ・ストロボ・スモークマシン等、機材を多くもっていますので、いろんなことが可能です。
音響 この劇ではハーモニカの生音も使用。MDとサンプラ・パソコンを使用。今は使いませんが、オープンリールデッキもあります。最近はネットで音源を探すことも多いです。
衣装 この舞台では制服基本のため、個性を示すためにTシャツ・カーディガン・髪飾り等の配色に気を遣いました。白生地からの染め・服の製作も多いです。段ボール等で着ぐるみを作ることもあります。
脚本・演出 部活を舞台にした青春ものをしたい・キャストが多く、大道具も大きいものでないと…といった程度の所から出発しました。天文部に決まってから、星球やハーモニカの話が進み、舞台を作っていく中でスクールカーストの問題やガリレオの言葉が見えてきました。実際に舞台で演じながら本を作っていく過程は楽しいものでした。